【8月度】広島店 市況レポートの画像

【8月度】広島店 市況レポート

広島店(市況レポート)





穴吹不動産流通株式会社 広島店 市況レポート

20248月〉

 

 

 

『アメリカ大統領選挙』

 

 

■はじめに


先日、自民党岸田首相が9月に行われる次期総裁選に出馬しないと発言されました。これを受けて10名を超える総裁立候補者が現れてくると予想されてます。年齢層も40代から70代と幅も広く、これまでにない様相を呈してきました。内閣・政党支持率回復を狙っているだけの感じもしますが、日本という国を良い方向に導いてくれるリーダーであればどなたでもウェルカムですね。


それと同じか、それ以上に今後の日本の経済に影響をおよぼすかも知れない重要なイベントがあります。115日に行われる「アメリカ大統領選挙」です。世界トップの経済力を持つアメリカは世界経済の中心であり、そのリーダーは絶大な権限を持っています。日本だけでなく世界各国におよぼす影響ははかり知れません。リーダーがひと言ダメと言えばもう終わりです。

 

そんな重要なイベントの結果が日本に対してどんな影響をおよぼすのかを少し考えてみました。


                                     



2大政党制】

 

ご存じのとおりアメリカは2大政党制です。現政権はバイデン大統領率いる民主党です。それに対抗するのが前大統領トランプ氏が率いる共和党です。民主党はいわゆるリベラル、共和党は保守と言われており、その政治理念は大きく違います。とうぜん世界とのつながりで主導権を握るのは政権与党です。どちらの政党が良いとは一概に言えませんが、我々としてはできるだけ日本にメリットがある方が大統領になって欲しいですね。(どの国も同じ思いですよね)

 

 

【カマラ・D・ハリス】

 

選挙が告示されてから多くのメディアではMAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)をスローガンにしたトランプ氏が優勢と報道されていました。特に選挙集会中に起きた銃撃事件での奇跡は、トランプ氏優位を不動のものにしたかと思われました。現職のバイデン氏は高齢であり、その言動が不安視されていたことも影響していました。そこで民主党は思い切った作戦をとります。大統領候補を現副大統領であるカマラ・D・ハリス氏に変更したのでした。ハリス氏は他国から移住してきた両親に育てられ、地方検事・州司法長官・上院議員を長く歴任してきた素晴らしい経歴を持つ女性です。多様性が叫ばれる現代において、これほど時代にマッチした方はなかなかいないのではないでしょうか。これには共和党も驚いたに違いありません。

 

バイデン氏が立候補撤退時の支持率は、トランプ氏43.5%・バイデン氏40.2%でした。それが現在(824日)での候補者支持率は、トランプ氏43.6%・ハリス氏47.2%と逆転しました。国民の政治に対する関心度が良くわかります。さすがアメリカですね。大統領選挙まで約2ヶ月、どんな展開が繰り広げられるのでしょうか。

 

 

 

 

【本題です】

 

それでは民主党と共和党、それそれが政権を担った場合の影響を考えてみましょう。アメリカも日本と同様に喫緊の課題は経済政策です。その点にクローズアップしました。

 

 

●民主党 

 

現在の政策スタンスが続くと思われます。ハリス氏は、物価安定と中間層支援を中心とした考えを持っており、「不法に価格をつり上げている大企業、労働者世帯の家賃を不当に引き上げている大家、そして大手製薬会社と戦う」としています。また食品業界の価格つり上げを連邦レベルで禁止することも提案しています。ただし、その実現性は不確実です。

 

他国に対する貿易については、やはり中国を念頭に置いたものが目立っています。「中国による不正な経済慣行に立ち向かい、競争に打ち勝つ。」とし、国との経済的な関係を断つ「デカップリング」ではなく、リスクを軽減する「デリスキング」を図るとしています。アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は9月にも利下げをすると示唆しています。軟着陸すると考えた場合、日本にとっては円安是正が図られる可能性があり、経済の安定に寄与するかも知れません。

 

 

●共和党


自国に対する保護主義政策が強化されると思われます。「中国からの輸入品に一律80%、すべての輸入品に一律10%課税する。」といった方針が示されています。直近2023年は日本にとってアメリカが最大の輸出相手になっています。日本の対米輸出に影響が出ることは間違いありません。ドル安を主導された場合、さらに拍車がかかります。保護主義政策は世界の貿易取引を抑制します。世界生産を押し下げる方向に作用すると、世界経済の成長率の低下を招きます。

また、「エネルギー独立」を掲げて、米国の石油・ガス開発強化を通じて安価なエネルギーを供給する方針を示しています。アメリカはシェール革命を通じて天然ガスの生産量世界第1位の国となっています。アメリカのエネルギー供給量が拡大すれば、世界のエネルギー市場にも影響をおよぼすと思われます。日本はエネルギーの多くを輸入資源に依存しているので、資源価格が低下すれば経済にプラスに作用するかも知れません。(トランプ氏は強硬な外交姿勢を取ることが予想されるため、中東諸国との関係が悪化すれば反対にエネルギー価格の上昇につながる恐れがあります。日本にとってはマイナスです。)

  






【終わりに】

 

現行の民主党であれば大きな変化がないと思われますが、為替の影響については是正されてくる可能性はあります。いくら輸出の恩恵を受けて株高になったとしても、今の円安は国民生活に支障があります。無難を願えば民主党ですね。(ただしアメリカの景気後退が想定以上であれば別の意味で大変なことになり、これは共和党の場合でも同じだと思います。)

 

共和党であればやはりトランプ氏の独断専行が気になります。国防については、強大な軍事力を背景にしたアメリカの同盟国であるため、脅威のある国々に対してはけん制できると思われます(とうぜん何らかの要望があるはずですが・・・)。アメリカファーストが強すぎると日本だけへの影響の話しでは済まなくなりそうです。強いアメリカは毒にも薬にもなります。

 

わかっていることは、アメリカの動きひとつで日本の経済は大きく揺れ動くことです。現在の不動産市況で一番の関心ごとは為替と金利です。ここまで不動産価格が高騰した一番の理由は為替と低金利の影響によるものです。今後はすべてのモノの価格が上昇すると思われます。不動産を含めた経済の動向、はたしてどのようになるのか。115日の選挙結果が気になります。(了)





”広島店(市況レポート)”おすすめ記事

  • 【9月度】広島店 市況レポートの画像

    【9月度】広島店 市況レポート

    広島店(市況レポート)

  • 【7月度】広島店 市況レポートの画像

    【7月度】広島店 市況レポート

    広島店(市況レポート)

もっと見る