【10月度】福岡店 市況レポート
【2025年10月福岡市 市況レポート】
１． 市場全体の動向
⓵価格堅調：福岡市の住宅価格は全国主要都市に比べ相対的に堅調で、中心部（中央区・博多区）を中心に過去1年で概ね＋1～4%の上昇が継続。都心回帰・九州企業の活性化・U/Iターンの流入がみられます（推計）。
⓶取引量はやや減少〜横ばい：住宅取引件数は金利上昇期の影響で前年比-5%～-12%のレンジで減少している可能性が高いが、賃貸・投資需要は高水準を維持されております。
・供給は限定的：土地供給が制約されるため新築マンションは立地選別が進み、中古流通・リノベ案件が増加。ストック型商品（リノベ済み、中古+保証）が購入されやすい傾向にあります。
・需要の二極化：高価格帯（利便性・資産性重視）と低価格帯（若年層・単身者向け）で需要特性が分離。ファミリー層は郊外の戸建て・駅近マンションで堅調です。
２． 市場概況（直近1年：推計含む）
平均価格・坪単価の推移（市内平均、各主要区レンジを提示）
⓵新築マンション（市内平均・販売価格）：推定約4,000万～4,800万円（前年比＋1～3%）。中央区・博多区は5,500万～7,500万円レンジが多く、早良区・西区は3,000万～4,500万円レンジ。
⓶中古マンション（市内平均）：推定約2,500万～3,800万円（前年比±0～＋2%）。築年で大きく差分されております。
⓷取引件数の動向
・市内全体の住宅取引件数は前年同期比で概ね-5%～-12%のレンジで減少（2024年度～2025年度の推計）。理由は住宅ローン金利上昇と慎重な購入判断される傾向です。
・中古流通は価格適正化とリノベ需要で相対的に粘り強い傾向です。
⓸供給量と在庫状況
・新築供給（竣工・着工）は都市中心で選別供給。前年からの在庫は増加せず横ばい～若干減の地域もある。マンション販売の初期在庫は早期完売のプロジェクトもある一方、立地・価格ミスマッチの物件は販売期間が伸びる傾向です。
・中古ストックは流通在庫が増加傾向で、リノベ向け在庫の取り扱い機会が拡大。
⓹前年同期比較データ（代表的な％表示）
・平均成約価格：＋1～3%
・取引件数：-5～-12%
・新規供給件数（戸数ベース）：±0～-10%（区部により差）
３． エリア別分析（主要区の特性）
⓵博多区
・特性：交通利便性（新幹線・空港アクセス）、オフィス再開発で居住需要と投資需要が旺盛。高層マンション・タワー型が多い。
・価格帯：新築マンション平均6,000万～8,000万円帯（駅近・タワーは上振れ）。
⓶中央区
・特性：商業・行政の中心。生活利便性が高く資産性重視の買いが強い。
・価格帯：博多区に近い、高め。坪単価が市内最高水準。
⓷早良区
・特性：住宅地としての人気、子育て・公園環境が評価。学区を重視するファミリー層が多い。
・価格帯：市平均～やや上。戸建てとマンションの両方でファミリー需要。
⓸東区・南区・城南区・西区
・特性：郊外寄りの住宅地、戸建て需要や賃貸需要（学生・若年層）も強い。価格は相対的に抑えめです。
・価格帯：戸建て・マンションとも市平均より低い（郊外で2,000万台～3,500万台が多い）。
⓹価格帯別の需要分布（概略）
・～2,500万円：賃貸置換（若年層）・地方出身のUターン層、投資初心者向け。
・2,500万～4,500万円：ファミリー向け/普通の所得層の主要購入レンジ（郊外・駅徒歩圏）。
・4,500万～8000万以上：中心区の資産性重視層、二拠点需要、投資家。
⓺注目エリアとその理由
・博多駅周辺（開発継続、オフィス・商業施設増）：資産性・賃貸需要ともに高い。
・天神（中央区）再整備エリア：生活利便性・高級マンション需要。
・香椎・西新の一部：駅利便と住宅地バランスでファミリー人気。
・福岡都市圏の一部（アクセス改善箇所）：通勤利便が改善する沿線に注目集まる。
４． 今後の見通し（3–6ヶ月）
⓵市場予測（短期：3–6ヶ月）
⓵価格：中核エリア（博多・中央）は堅調で＋0.5～＋2%の上振れ、郊外は横ばい～微下落（-0.5～0%）と予測。
⓶取引件数：春商戦（1月～4月）に向けて一時的に回復（季節性）するが、前年比では若干低水準が続く見込み（-3～-8%）。
⓷賃貸市場：学生・単身層の回復により空室改善傾向（エリア依存）。
⓸注意すべき外部要因
・金利動向（日本銀行・短中期金利の動き）
・企業のリモートワーク方針・地域企業の採用動向
・インフラ・再開発（博多駅・天神再編、空港アクセス改善）
・マクロ（景気、観光、インバウンド回復）
・政策（住宅取得支援、税制変更、固定資産税評価の変更）
以上
